それでも歩いていく ver.2

大人になった発達障害者の子どもたちとの生活記録や、頭の中とっちらかった自分の時間やお金の管理、 ハウスキーピングのスキルアップ奮闘記。の予定。

円錐角膜と息子のこと

 息子が円錐角膜という病気だと診断されてから4年になります。

円錐角膜は、思春期に発症する角膜の菲薄化、変形を主徴とする原因不明の疾患である。患者は進行性の視力障害をきたし、進行すると角膜移植以外に治療の方法がなくなる。

日本における患者数は、1980年代の報告では約1万人に1人。

主な症状は進行性の近視、乱視。他覚的には、角膜実質の菲薄化、角膜曲率の急峻化を認める。

初期は眼鏡で矯正可能であるが、中等症以上ではハードコンタクトレンズ以外では良好な矯正視力が得られなくなる。更に進行すると、 角膜移植などの外科的手術が必要となる。近年、角膜内リング、角膜熱形成による角膜形状の矯正、およびコラーゲン・クロスリンキングによる角膜変形の抑制 を目的とした治療が欧米を中心に試みられている。

難病情報センター | 円錐角膜(平成21年度)より引用

 

keratoconus.jp

円錐角膜 - Wikipedia

 

 あまりネットでは息子の病気のことを話さず、親の会仲間だけには話していましたが、去年くらいから逆にネットでももっと円錐角膜のことを話して知ってもらった方がいいんじゃない?と思うようになったので、twitterなどで少しずつつぶやくようになりました。

  

 

 

 

 調査によって数にばらつきはあるものの、6000人から2000人にひとりくらいはいるけれど、軽度でなんとかメガネで視力が出るレベルの人から、息子のように受診したときはすでにかなり進んでいて、治療ができない人まで様々です。

 当時はまだ裸眼でも0.4くらいはあったけれど、現在は0.1を切りました。

 左目はほぼ見えていません。右目も結構あやしい。

 

 原因不明で角膜がとがっていき、そのせいで角膜にでこぼこができ薄くなり、激しい乱視に悩まされたり、空気や光の刺激で目を開けていることが苦痛な状態の病気、それが円錐角膜です。

 

 角膜がとがっていくのを遅くするため、また不正乱視を矯正し視力を出すため、円錐角膜患者には医療用コンタクトレンズを処方されることが一般的です。

 それが一枚25000円くらいで、基本視力が悪いのでよくなくしたり壊したりします。

 角膜の角度が変わるたびに作りかえもしなければなりません。

 でも円錐角膜は国の指定難病ではないので補助を受けることはできません。

 また障害者手帳を受けることもできません。

 それが円錐角膜患者にとっていちばんの悩みだと思います。

 

 息子の場合は、光の刺激、空気の乾燥、ふつうならそよ風と思えるような微風にも大変弱くなり、冬はエアコンをつけられません。夏は風の当たらない薄暗いところでじっとしています。

 こどものころ多動で、5月くらいからすでに日焼けで真っ黒だったのがうそみたいに、おひさまに当たらないので白くなってしまいました。

 目の乾燥があまりにもひどいので、人工涙液という涙の成分と同じ目薬を差しながら生活しています。

 金額にすると毎月3万円分くらいの目薬を消費します。

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 この病気になってから徐々にできることが少なくなってきました。

 目の苦痛と、自分がいままでできていた仕事ができなくなったことにがまんできず、作業所をやめました。

 

 どうにか社会参加はできないものか、最初の三年くらいは家族や相談支援員さんを交えていろいろ話し合ったものの、苦痛を我慢してまで社会参加をしたくないという息子の姿に、無理強いをするのはやめようと思うようになりました。

 この病気にならなければやりたいことはたくさんあっただろうに、言っても仕方ないから、とあきらめるようになった。

 そんな様子を見ているのもつらいです。

 

 そんなとき、Twitterでつらい気持ちを話してもいいんじゃない?

 あわよくば同じような病気の人と知り合えたり、病気や治療の情報を知れたり、この病気を知らない人に知ってもらえたりしたらいいんじゃない?

 ……などと欲も出てきたので、これからはどんどん円錐角膜のことをつぶやいたりブログに書いたりしていってもいいんじゃない?と思っています。

 

 

 発達障害児の親の会をつくった(のはわたしじゃないけど)り続けていけたのは、仲間がほしかったから。

 ナントカの会という集まりを運営することには非常に細やかな気配りや管理能力が必要になってくるし、そのエネルギーは今のわたしにはない。

 そしてなにより地元に仲間がいるのかいないのか。発達障害よりも明らかに少ない数なので。

 円錐角膜の話をリアル対面で30人くらいにはしてみたけど、そのなかでひとりしか「知ってるその病気!」と言ってくれた人がいなかったくらい。

 だから自分のできる範囲で情報発信や収集ができたらいいなと思っています。